
葬儀の形式やマナーは、地域によって大きく異なります。今回の豆知識では、全国的にもめずらしい常滑における葬儀の風習をご紹介いたします。
常滑市における葬儀の風習|「先火葬」や独自のマナーについて
愛知県常滑市にも、その歴史や文化が色濃く反映された独自の葬儀の風習が数多く存在します。
いざという時に戸惑わないために、また、参列される際のマナーとして知っておきたい、常滑市ならではの葬儀事情(先火葬、お淋し見舞い、友引の対応など)について詳しく解説いたします。
1. 全国でも珍しい「先火葬」の風習
常滑市(特に南部地域)の葬儀において、最も特徴的なのが「先火葬(さきかそう)」です。
一般的な葬儀では「お通夜 → 告別式 → 火葬」の順で進みますが、常滑市では「火葬 → お通夜 → 告別式」という順序で、儀式よりも先に火葬を執り行います。
なぜ先に火葬をするの?
この風習は、常滑市が古くから「焼き物の街(常滑焼)」として栄えてきた歴史に由来しています。
窯業(ようぎょう)においては「窯の火を絶やさないこと」が非常に重要であったため、火を扱う火葬を優先したと言われています。また、戦時中にご遺体ではなくご遺骨で帰還されたことの影響もあると伝えられています。
なお、この先火葬の風習は、東北地方や九州地方の一部などでも見られますが、この地域では一般的な形式として根付いているため、あえて「骨葬」などと特別な呼び方をすることはありません。
2. お顔を見てお別れをする「お淋し見舞い」
先火葬が主流であるため、お通夜や告別式の時点では、故人様はすでに火葬され、お骨(遺骨)の状態になっています。
そのため、「最後にお顔を見てお別れをしたい」という方は、火葬が行われる前に、ご自宅や安置室(葬儀ホールの安置ルームなど)へ事前にお伺いする必要があります。
このお見舞いのことを、この地域では「お淋し見舞い(おさびしみまい)」と呼びます。
「お通夜に参列すればお顔を見られる」と思って来場され、すでにお骨になっていて驚かれる他県の方もいらっしゃいます。お顔を見てのお別れをご希望の場合は、必ず火葬の日時を確認し、事前にお淋し見舞いに伺うようにしましょう。
3. 会葬者が列席しない独自のスタイル
他の地域では、お通夜や告別式に参列した際、式場内の席に座って最後まで儀式に列席することが一般的です。
しかし常滑市においては、一般の会葬者が席に座って列席する風習があまりありません。
すでに故人様が火葬されているという前提があることや、「通夜は夜通し行うもの」という古くからの考え方から、一般の参列者はご焼香を終えた後、早めに帰宅されるケースが多く見られます。
4. 「友引」の火葬と身代わり人形
六曜の「友引(ともびき)」は、「友を(あの世へ)引いていく」という語呂合わせから、全国的に葬儀や火葬を避ける傾向にあります。
しかし、常滑市では少し事情が異なります。先火葬の風習が根強いこともあり、友引の日であっても火葬は行われるのです。
その代わり、故人様が寂しがって友を連れて行かないように、「身代わりとなる人形」を一緒にお棺へ納めて同行させるという、思いやりのある風習があります。
※友引に火葬は行いますが、告別式などの葬儀の儀式自体は避けるのが一般的です。
※常滑市の火葬場は、毎月1日と15日が定休日となっています。
5. 昭和から続く「新聞の折込みチラシ」
全国的にも非常に珍しいのが、訃報や葬儀の日程を「新聞の折込みチラシ」で地域の方にお知らせするという風習です。
近年では家族葬の増加や葬儀規模の縮小にともない減少傾向にありますが、15年ほど前までは、市内(特に旧常滑エリア)にお住まいの方は、ほぼ100%に近い割合でこの折込みチラシを入れていました。地域コミュニティのつながりの強さを感じる、常滑ならではの習慣と言えます。
地域の風習に精通した大阪屋葬祭にお任せください
常滑市で長く葬儀のお手伝いをしてきた大阪屋葬祭では、こうした地域の伝統やマナーを大切にしながら、ご家族の想いに寄り添ったお見送りをご提案しております。
「うちの地区のやり方がわからない」「他県から親戚が来るけれどどう説明すればいい?」など、些細な疑問やご不安も、お気軽にスタッフまでご相談ください。





