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スタッフブログ更新:樒(しきみ)について

2016年10月3日

こんにちは、営業部の竹味です。

今回は『樒(シキミ)』についてお話をさせていただきます。

人がお亡くなりになられて自宅などに安置された後は枕元に『枕飾り』と言われる白木の机を飾ります。

そしてこの中の【花立】には樒の枝(20㎝くらいの長さを5本ほど束ねた)を活けます。
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なぜこの【樒】をお供えするのかをお話しします。

樒とは、別名『仏前草』と呼ばれ、仏前に供える木として知られていますが、花が咲き、実も付きます。花は透明感のある淡黄色です。

「抹香臭い」という言葉は、この木の香りの事を指しています。全株に毒性があります。

従ってこの実を集めて、「無届」で「販売」したりすると罪になり罰せられます。

実の形が大茴香(ウイキョウ)に似ているので、日本からドイツへ輸出された樒の実が大茴香と混同されて食品香料として販売され、多くのドイツ人が中毒して騒ぎになったこともあるそうです。

樒は葉や樹木を燃やすと死臭も消すほど強い臭いをはなつため、古代から墓や仏に供える植物とされ、ドライアイスのない時代にあっては、亡骸から死臭を取り除くには樒を焚き込むしかありませんでした。

また、昔土葬していた頃、遺体を埋めた墓地を動物が掘って荒らしたため、これを防ぐために、有毒植物である樒を供えることで動物を避ける役目をしました。

そういった意味を込めて亡き人を悪霊から護るとしてお供えをするのです。
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ですから樒は葬儀のお供えとしては大事なものとなります。

関西の葬儀では必ず樒を供えるし、墓地では樒の束が線香と一緒に一年中売られています。

全体に香気があり、樒を供えることはお香を焚くのと同じ意味を持ちます。
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